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子どもにもう一度高くジャンプさせるには?
人は生まれたその瞬間、負けや失敗というような挫折を味わっていない。
「どんな人生を歩んでいくのか」はまだ誰にもわからない。
つまり、その時点ではどんな人にも無限の可能性があるというわけだ。
でも、1年、1年生きていくうちに
「オレはこんなもんだろ」「自分はこのあたりだ」
と自分の可能性を決めつけてしまうのはなぜだろうか。
あのときの負けが、あのときの失敗が、あのときの、、、と、
過去の勝手な勘違いに縛られてしまい、今の自分を正当化してしまってはいないだろうか。
自信を失っていたり、消極的な言い方をする生徒に会うといつもこの話が頭に浮かぶ。
『ノミとコップ』の話だ。
ものすごいジャンプ力があると言われているノミ。
体長が数ミリでも、数センチくらいの高さなら簡単に飛び越えることができるジャンプ力を持っている。
そこで、高さ数センチのコップに蓋をしてノミを入れてみる。
蓋がなければ簡単にコップから飛び出せるが、何度ジャンプを繰り返してもさすがにコップから出られない。
しばらくして蓋を外すと、なんと、ノミはコップの高さよりも高くジャンプすることができなくなってしまう。
つまり、ノミは自分の限界を勝手に決めてしまっていたのだ。
このノミをもう一度コップよりも高くジャンプさせるためにはどうすればいいのか?
それは、高く飛べるノミと一緒に、少し低いコップに入れてみて、何度か飛ばせてみるのだ。
「飛べるノミ」を見ることで「飛べないノミ」は蘇るという話。
人はノミではない。
だからもちろんこんな単純ではないが、人も人生の中でいく度かの挫折を、程度の差はあれ必ずどこかで味わう。
「飛べないノミ」になるくらいならまだマシかもしれない。
「飛べるノミ」を見ればまた自分を取り戻す可能性がある。
しかし本当に心配しなくてはならないのは、「飛べるノミ」を見ても飛ぼうとしなくなってしまうことだ。
「飛べるノミ」を見てもそれでも飛ばない、そして飛べないノミ。
「あいつはもともとすごいんだよ、オレとは違って」と言い訳をし始める。
今の自分を正当化してしまう。
「オレも飛べるはず」と考えれば、できたかもしれないのに。
負けや失敗の経験を、糧とするのか、それとも今の自分で正当化するかは、やはり自分次第だ。
少々強引かもしれないが、受験もそれに似たものがある。
それは、多くの教え子を見てきてそう思う。
受験生はもっと自分の無限の可能性を信じるべきで、保護者もそうだ。
母集団やライバルの存在もやはり重要で、
いつ、どこで、どう学ばせるかでその子の成長度も違ってくる。
また周囲に振り回されず、でも周囲の力をうまく使うべきだ。
そして、とにかく、諦めないこと。
今週は、大学入試共通テストに、関西圏では中学受験が本格スタートした。
すでに、良くも悪くも自己採点や入試結果が出ているだろう。
ここではあえて残念な結果が出た受験生に一言!
結果だけが問われる受験だが、やってきたことすべてが判定されているわけではない。
もし不合格であっても、初めの挫折の1つに過ぎない。
真の成果はもっともっと先にあるということを忘れず、今後の人生に目を向けてほしい。
そして、来年以降に受験を控えている、高校2年生、小学5年生の受験生たち、自分の限界を簡単に決めず、愚直に邁進してほしい。
今年は卯年とあって、『飛ぶ』にちなんだテーマで本年のスタートとしてみたい。