スタッフコラム

「飛べないノミ」になっていないか?──可能性にフタをする前に

人は生まれた瞬間、まだ何の挫折も経験していない。
勝ちも負けも知らず、「どんな人生を歩んでいくのか」は誰にもわからない。
つまり、誰しもが無限の可能性を持っている。

しかし、年齢を重ね、経験を重ねるうちにこう思ってしまうことがある。

「自分はこの程度だろう」
「あのとき負けたから、自分には向いていない」

過去の失敗や挫折にとらわれて、自らの可能性に“フタ”をしてしまう。
そしていつの間にか、「今の自分」を守るために「これが限界」と思い込んでしまうのだ。

ノミとコップの話

ここでよく思い出す寓話がある。
それは「ノミとコップ」の話だ。

ノミは、体は小さくても驚くほど高くジャンプできる生き物だ。
しかし、ノミを蓋つきのコップに入れると、何度ジャンプしても蓋にぶつかる。
やがてノミは「この高さまでしか跳べない」と学習してしまい、蓋を外してもその高さ以上には跳ばなくなってしまう。

本来持っている力すら、自分の思い込みで失ってしまうのだ。

では、この「飛べなくなったノミ」が再び高く跳ぶためにはどうすればいいか?

それは、高く跳べるノミと一緒に過ごさせることだ。
高く飛ぶ姿を見ることで、「あ、まだ自分も飛べるかもしれない」と希望がよみがえる。

ノミと人間を一緒にするのはいかがなものかと言われそうだが、人間にも当てはまる部分はないだろうか。
何かに挑戦してうまくいかなかった経験や、人と比べて落ち込んだ経験が、知らず知らずのうちに心の蓋を作ってしまう。
でも、そんなときにこそ「飛べる人」を見ることが大事なのだ。

「オレとは違う」と言い訳するのではなく、
「自分も飛べるかもしれない」と信じてみる。

そこから、再び歩み出せるはずだ。

挫折は“今”のすべてを否定しない

ちょうど今、中学受験が終わり、大学入試も私立は大詰め、国公立は本格化している。
推薦などですでに結果が出ている人もいるだろう。

思い通りにいかなかった受験生には、こう伝えたい。

受験は結果がすべてに見えるかもしれないが、
本当に問われているのは「これまでの歩み」と「これからの姿勢」だ。

不合格は、人生における“初めての挫折”にすぎない。
合否がすべてではない。
それをどう糧にするかは、自分次第なのだ。

自分の限界を、勝手に決めない

来年以降に受験を控える高校生や小学5年生のみなさん。
どうか、自分の限界を簡単に決めないでほしい。
そして、まわりの力をうまく使って、学び続けてほしい。

ときに周囲に振り回されることもあるかもしれない。
でも、人の力を借りて成長することもまた大切な力だ。

そして何より、諦めないこと。

失敗も、不合格も、苦しい経験も、
そのすべてが「飛ぶための準備」になると信じて、進んでほしい。

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